------  傑作映画館  ------


● 天空の城ラピュタ
   監 督 :宮崎駿
   出 演 :パズー、シータ(ルシータ・トエル・ウル・ラピュタ)、ドーラ、ムスカ、
   ジャンル:アニメ(アクション)
   1986年  日本



スタジオジプリの初作品。

注)以下、ネタバレだらけです!

【あらすじ】
 
 鉱山で働いていたパズーは、空からゆっくりと落ちてきた少女・シータを救い、一緒に逃げます。
 彼女が黒メガネの男たちにさらわれそこをさらに海賊たちに襲われたからです。
 海賊から機関車で逃げる途中、正面の軍の装甲車輌からでてきたのは黒メガネの男たちでした。
 シータの持っていた「飛行石」の助け、もあり一旦は地下の洞窟に逃れますが、地上に出た所を捕まって軍の要塞へ連れていかれるのです。

 シータには実は隠された名前(
ルシータ・トエル・ウル・ラピュタ)がありラピュタの正当な後継者だったのです。
 ラピュタとは、遠い昔に卓越した科学力を持ち高空の城から地上を支配した帝国で、無人の城は今も空中のどこかにあると言われています。
 黒メガネの男達を率いていたムスカと言う男はラピュタの王族の末裔で、その真意はシータの飛行石を手に入れ巨大な力を秘めたラピュタの城を意のままに操る事でした。

 ウソをついてパズーを開放したシータは悲しみの中で無意識のうちに昔教わった呪文の言葉を口にしてしまいますが、それはラピュタの封印を解く言葉だったのです。
 昔落ちてきた壊れたと思われていたロボットが動き出し、飛行石が輝いてラピュタのいる方角を指し示しました。
 シータを守ろうとしたロボットは軍によって破壊されてしまいますがシータはドーラとパズーに救われます。
 しかし、飛行石を奪ったムスカは飛行船(軍艦)で光の示す方向 = ラピュタを目指します。

 長くなるので途中は省きますが、ラピュタの中でムスカと最後の対決をする二人です。
 ムスカは銃を二人にむけますが、シータはパズーが隠し持って来た飛行石に手を重ね、ムスカにラピュタを渡さないために二人は死を覚悟して滅びの言葉「ヴァルス」をとなえるのです。
 城は壊れムスカも瓦礫につぶされて落ちていきますが、城を浮かせていた巨大な飛行石は城の上にはびこっていた木の根に引っ掛かり、二人と二人が乗って来たグライダーも木の根に引っかかって助かり、フラップターで脱出したドーラ一家とも再会を喜びます。
 抜け目なく財宝を少しだけくすねてきたドーラ一家とも別れて、二人を乗せたグライダーはシータのふるさとへ向かうのでした。

 
【感想】
 意外なことに、この作品はセールス的にはジプリのワースト記録なんだそうです。(ただ、ジプリ的には充分だったようで、次のトトロにつながります。)
 登場したロボットはジプリ美術館の常設展示品だそうですが、このロボットのファンの私としては嬉しい限りです。(顔が非対称なんだもの!)
 



その後語り伝えられる(?)滅びの言葉を言うところ。
シータやナウシカ等淑やかで、なおかつ実は活発な女の子が宮崎駿の理想像?

 この作品の背景も良くって、冒頭でパズーが残業のための食事を買いに来る店の雰囲気の暖かさや谷の風景の何と素晴らしいことか。
 ラピュタの景色もいいです。
 一方で大っぴらに出てくる「特務」や軍の要塞なんて軍事国家みたいですね。
 鉱山の村のアウトロー的な雰囲気や海賊ドーラ一家とバランスをとるためでしょうか、既成の権力に対する反権力の戦いを描きやすくするためでしょうか。
 その辺りをストレートに出し過ぎたせいで興業的に今一歩だったのかも知れません。
 だけど私は空中に浮かぶ城があるという夢の方を取りますけれど。


 関連作品 : 風の谷のナウシカ … 宮崎 駿 監督作品
       紅の豚      … 宮崎 駿 監督作品
       千と千尋の神隠し … 宮崎 駿 監督作品
       魔女の宅急便   … 宮崎 駿 監督作品
       ルパン三世    … 宮崎 駿 監督作品
       猫の恩返し    … スタジオジブリ作品





  2018.11.    ................ 傑作映画館の目次ページへ